第27回 53 発酵食品に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。【管理栄養士国家試験 過去問解説】

国家試験対策

 

53 発酵食品に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。

(1) たまりしょう油の主原料は、大豆である。
(2) ぶどう酒のアルコール含量は、ブランデーより多い。
(3) みりん風調味料は、混成酒である。
(4) しょう油の色は、こうじかびの持つ酵素のはたらきにより生じる。
(5) 納豆のビタミンKは、主にフィロキノンである。

 

 

正解 (1)

 

解説

調味料や加工食品についての問題です。原料や製造方法を理解しておきましょう。

 

(1) :たまりしょう油の主原料は、大豆である。

しょうゆは大きく分けて、濃口しょうゆ、薄口しょうゆ、たまりしょうゆ、白しょうゆ、再仕込みしょうゆの5種類に分けられます。これらの大きな違いは熟成期間と原材料にあります。しょうゆの原料は主に大豆と小麦ですが、濃口、薄口、再仕込みは大豆と小麦が約50%ずつなのに対し、たまりしょう油は大豆が多く、白しょう油は小麦の割合が多くなっています。

 

(2) ぶどう酒のアルコール含量は、ブランデーより少ない

ぶどう酒のアルコール含量は白11.4%、赤11.6%、ロゼ10.7%です。ブランデーは40.0%であり、ブランデーの方がアルコール含量は多くなります。

(「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より)

 

(3) みりん風調味料は、調味料類である。

みりん風調味料はアルコール1%未満であるため、酒類ではなく、調味料類に分類されています。本みりんはアルコールが約14%含まれ、嗜好飲料類の混成酒類に分類されます。本みりんは米や米麹に焼酎やアルコール加えて糖化、熟成して作られます。一方、みりん風調味料はアルコールではなく、水あめやブドウ糖などの糖類を主体として作られています。

 

(4) しょう油の色は、アミノカルボニル反応により生じる。

しょう油の色はアミノカルボニル反応によって生成されます。アミノカルボニル反応はアミノ酸と糖が化学反応を起こし、メラノイジンという褐色色素が生成する反応で、食品の色や風味を生み出します。

 

(5) 納豆のビタミンKは、主にメナキノンである。

天然に存在するビタミンKには、K1(フィロキノン)、K2(メナキノン)の2種類があります。K1はほうれん草やブロッコリーのような緑黄色野菜などの葉緑体によって産生される植物由来のものです。K2は納豆やチーズなど細菌によって産生される微生物由来のものです。補足として、合成によってできるK3(メナジオン)もあります。

 

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