【管理栄養士が解説】糖尿病予防・改善につながる野菜の食べ方

成人の食事

健康を維持するために野菜を1日350g摂ることが目標とされていますが、糖尿病の予防や改善にも野菜を摂りバランスの良い食事を摂ることが有効です。

しかし、単に野菜を摂ると言っても野菜にも種類があり、料理の仕方次第で野菜の食感や味は変わるので、どのように野菜を食べるのが糖尿病の予防にいいのか悩むかもしれません。

ここでは糖尿病予防・改善のための野菜の食べ方として、野菜の摂り方や注意点を紹介しています。

野菜が苦手な方や食事で糖尿病を予防・改善したい方はぜひ参考いただき野菜のある食事を心掛けてみてください。

 

高血糖予防・改善につながる野菜の食べ方

(1)野菜はたくさん食べても良いが調味料の量に注意

 

糖尿病の予防にも改善にも基本的に野菜はたくさん食べても良いとされています。

野菜に多く含まれる食物繊維は炭水化物のなかまなので、確かに食物繊維を摂ることでエネルギーが摂取されます。

しかし、野菜から摂るエネルギー量はわずかで、それよりも野菜を摂ることで得る食物繊維の効果やビタミン・ミネラルの摂取を考えると、野菜をしっかりと摂ることが栄養バランスを整えることになり、ひいては血糖コントロールに有効であると言われています

問題は野菜を食べるときの味付けです。

野菜をたくさん食べるからと言ってドレッシングやマヨネーズもたくさんかけて食べると、塩分や脂質を必要以上に摂ってしまい、野菜を摂るメリットよりも、調味料の摂りすぎによるデメリットが上回ってしまうことになります

 

サラダや炒め物などで野菜をどれだけ加えても、調味料は測って一定量のみ使うようにしましょう。

 

具体的な調味料の使い方は以下にまとめているので合わせてご参考ください。

 

 

(2)生野菜でも加熱野菜でも良い

 

食物繊維をとるためなら、野菜は生野菜でも加熱した野菜でも、どちらでも食べて大丈夫です。

量を多く摂るなら加熱すると嵩が減るので多くの野菜を食べることができます

 

また、生野菜だとビタミンCなど熱に弱い栄養素を逃がさずに摂取できます

野菜をよく噛んで食べることで、咀嚼機能の維持、食後高血糖の是正や、満腹中枢の刺激による食欲抑制、腸管の吸収促進などの効果も期待できるので、生野菜だとより噛むことの効果が高まります。

 

生野菜にも、加熱した野菜にもメリットがあるので、自分の食生活に合わせながら生野菜や加熱した野菜を組み合わせて1日350gの野菜を摂れるようにするのがいいでしょう。

 

 

(3)野菜から食べるは効果的

 

糖尿病診療ガイドライン2019では、食事の摂り方について以下のように示されています。

食物繊維に富んだ野菜を先に食べることで食後血糖の上昇を抑制し,HbA1cを低下させ,体重も減少させることができることが報告されている131).ただし,これは野菜に限らず,タンパク質などの主菜を先に摂取し,その後に主食の炭水化物を食べると食後の血糖上昇は抑制される132)

糖尿病診療ガイドライン2019,46,2019

 

いわゆる食べる順番ダイエットの根拠となるものですが、野菜から食べ始めてご飯を後で食べることで食後高血糖を抑える効果が報告されています。

このことから、食事の最初は食物繊維を多く含む野菜から食べるのが糖尿病予防・改善におすすめです。

また、サラダなど野菜だけでなく、主菜となる肉や魚などと野菜を先に食べてからご飯を食べても同様に食後高血糖の効果が期待できます。

 

食事の習慣として、野菜を含む料理から食べて、ご飯(炭水化物)を後に食べるような順番の習慣をつけましょう。

 

 

<要チェック>じゃがいも、とうもろこしは野菜類ではない

 

サラダというと野菜をイメージしますが、

野菜をたくさん食べるためにポテトサラダを意識して食べても血糖値を抑制するどころかかえって高血糖を招く恐れもあります。

理由は、じゃがいもは野菜ではないからです。

じゃがいもやさつまいもは栄養学ではいも類に分類され、炭水化物の多い食品として扱います。

なので、ポテトサラダをたくさん摂ったら炭水化物をたくさん摂っていることになるので、結果的に高血糖を招いてしまいます。

 

また、とうもろこしも栄養学的には穀類に分類され、炭水化物の多い食品としています。

とうもろこしも同様に摂りすぎは高血糖を引き起こす原因となりかねません。

野菜と思ってたくさん食べていたら、実は血糖値を上げてしまっていたといったことにならないように注意しましょう。

 

糖尿病のためのおすすめの食事とは

 

糖尿病のための食事では野菜を上手に摂りながら栄養バランスを整えることが大切で、糖尿病を食事で改善する重要な食事の方法です。

では、実際にどのような食事をすると高血糖を抑えられるのか、具体的な糖尿病のための食事の進め方は以下のページにまとめていますのでぜひご参考いただけたらと思います。

 

 

まとめ

○野菜を食べるときは調味料の使う量に注意

○野菜から食べて炭水化物を後に食べる

○じゃがいもやとうもろこしは野菜類に分類されず炭水化物の多い食品として扱う

 

 

 

以上、「糖尿病予防・改善につながる野菜の食べ方」について紹介しました。

野菜は健康に欠かせない食品ですのでこのページを参考に高血糖の予防・改善にお役だて出来たら幸いです。

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