「おかゆ以外の主食も試してみたいけど、どのように調理して食べさせたらいい?」「食パンとうどんはどちらから始めたらいい?」などと悩んでいる方はいませんか。
食パンやうどんのような小麦製品はやわらかく調理しやすいため、離乳食に適した食品です。
しかし、小麦は乳幼児がアレルギーを起こしやすい3大アレルゲンの1つでもあります。初めて食べさせる時には、慎重に進めていきましょう。
そこで今回は、初めての小麦の食べさせ方や小麦製品の進め方を紹介します。
小麦のアレルゲンは?
小麦は小麦粉としてパンやめん、お菓子など様々な食品に使われています。離乳食では3つの栄養素(炭水化物、たんぱく質、ビタミン・ミネラル)の中の炭水化物に分類されるエネルギー源です。
炭水化物なのにアレルギーが起こるの?と思う方もいるかもしれませんが、炭水化物を多く含む食品を炭水化物に分類しているだけなので、小麦粉にもたんぱく質は含まれています。
このたんぱく質の含有量によって、小麦粉は大きく薄力粉、中力粉、強力粉に分けられます。薄力粉が最も少なく、中力粉、強力粉の順にたんぱく質量は多くなります。
小麦製品のアレルゲン性はその食品に含まれる小麦たんぱく質の量によって変わります。そのため、同量であれば強力粉で作るパンよりも、中力粉で作るうどんの方がアレルゲン性は低くなります。
小麦のアレルゲンは主に「グルテニン」と「グリアジン」という2種類のたんぱく質です。これらが組み合わさってできる「グルテン」という物質が、パンやうどんの弾力や粘り気を生み出します。
このグルテンは加熱してもアレルゲン性は低下しないため、注意が必要です。
いつから食べさせる?
離乳食で初めに登場する小麦製品といえば、うどんや食パンです。
うどんや食パンは離乳初期から食べさせることができます。
ただし、おかゆや野菜、豆腐などに慣れてからなので、5ヶ月から離乳食を開始した場合は、1ヶ月以上たった6ヶ月以降に試してみるといいでしょう。
初めは何から食べさせる?
パンは手軽で食べやすいですが、小麦たんぱく質の量が多いため、小麦製品はうどんから試すのがいいでしょう。
うどんはうどんでも、乾麺や冷凍うどんはコシがあるので、初めはやわらかい「ゆでうどん」がおすすめです。
うどんが食べられるようになったら食パンやそうめんに挑戦していきましょう。食べさせやすいものから試してみてください。
1 ゆでうどん(6ヶ月~)
うどんには塩分が含まれているので、離乳食で使う場合は下ゆでをして塩分を抜くことが基本です。
①刻む
まずは、うどんを刻みます。ゆでる前に刻む方が、麺がまとまっていて刻みやすく、塩分も抜けやすくなります。このとき、包丁をぬらしておくと麺がくっつきにくくなりますよ。
②ゆでる
刻んだうどんを多めのお湯でやわらかくゆでます。ゆでうどんの場合は5分くらいでやわらかくなります。指で軽く押すとつぶれるくらいの固さです。
③水洗い
ゆであがったらざるにあげ、流水で水洗いして塩抜きをします。
④ペースト状にする
すり鉢等ですりつぶし、お湯でのばすか、ブレンダーでペースト状にして食べさせましょう。
ペースト状にしたうどんを小さじ1から始めます。アレルギーが心配な場合は赤ちゃん用のスプーン1さじからでもOKです。問題なく食べられたら、次から少しずつ増やしていきましょう。
量の目安は以下の表の通りです。
時期 | 目安量 |
---|---|
離乳食初期 | 5~20g |
離乳食中期 | 35~55g |
離乳食後期 | 60~90g |
離乳食完了期 | 105~130g |
ゆでうどんと乾麺は冷凍保存することができます。下ごしらえをした後、時期に合わせた大きさに切って冷凍しましょう。
1食分ずつ小分けにしてラップに包み、冷凍保存袋に入れるといいですよ。
冷凍うどんの場合は再冷凍になってしまうので、冷凍保存はNGです。
補足① 乾麺のうどんは?
乾麺はゆでるのに時間がかかりますが、小さく折ってからゆでることができるので、刻む手間が省けます。長期保存も可能なので、常備しておくのもいいですね。必要な分だけゆでられるので、量を調整しやすいところも利点です。
ただし塩分を多く含むので、二度ゆでして水洗いし、塩抜きすることをおすすめします。
補足② 冷凍うどんは?
冷凍うどんはコシが強くやわらかくなりにくいので、離乳食にはあまり向いていません。離乳食で使う場合は、しっかりとカミカミできるようになった後期以降がよいでしょう。
2 食パン(6ヶ月~)
うどんに慣れたら、パンを試してみましょう。初めはシンプルな食パンがおすすめです。
しかし食パンにも卵やバター、牛乳が含まれているものもあります。表示を確認して食パンを選ぶか、卵や牛乳を試してから食べさせると安心です。
食パンは初めはパンがゆにすると食べやすくなります。刻むか小さくちぎってお湯やミルク、だし等で煮ます。
3 そうめん(6ヶ月~)
うどんが食べられるようになれば、もちろんそうめんも食べられます。
ただし乾麺のそうめんは塩分が多く含まれているので、たっぷりのお湯で下ゆでして塩抜きをしましょう。二度ゆでがおすすめです。
4 その他の小麦製品
麩(7ヶ月~)
麩は小麦たんぱく質のグルテンから作られます。やわらかくて離乳食に適した食品ですが、うどんや食パンに慣れた7ヶ月頃、少量から試してみましょう。
水でもどして小さくちぎるか、乾燥したまますりおろして使います。
スパゲッティ、マカロニ(9ヶ月~)
スパゲッティやマカロニはゆでてもやわらかくなりにくいので、しっかりとカミカミできるようになった後期以降がよいでしょう。
表示されている時間の倍の時間ゆでて、歯ぐきでつぶせるくらいクタクタにしましょう。
まとめ
- 小麦はおかゆや野菜、豆腐などに慣れてから始める
- やわらかく調理しやすい「ゆでうどん」から始める
- うどんに慣れたら、食パンやそうめんを試してみる
以上、小麦・小麦製品の進め方を紹介しました。
主食がお米だけでなく、パンやうどんも加わると離乳食もバラエティ豊かになりますね。
ポイントをおさえて楽しく離乳食を進めていきましょう。
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