離乳食で食パンはどのように食べさせたらよいのでしょうか。この記事では時期別の食べ進め方や食パンの選び方、冷凍保存方法などをご紹介します。
離乳食の食パンはいつから食べられる?
食パンは離乳食初期から食べることができます。離乳食を始めてから約1か月が経ち、おかゆや野菜、白身魚などに慣れてきた6ヶ月以降がおすすめです。
食パンの主原料は3大アレルゲンの一つである小麦です。小麦たんぱく質の量が多いため、うどんに慣れてから始めるといいですよ。初めて食べさせる時は、体調のいい日を選んで慎重に進めましょう。
また、パンには塩分や脂肪分、砂糖や添加物も含まれています。離乳食で使う場合には、原材料ができるだけシンプルなものを選ぶのがポイントです。中でも食パンは初期から食べられますが、食パンと一口にいってもメーカーによって原材料は違います。市販のパンには小麦だけでなく、乳製品や卵などのアレルゲンが含まれているものやハチミツが使われているものもあるので注意しましょう。
初期、中期は食パンをそのまま食べることはできないので、とろとろのパンがゆにして食べさせましょう。パンをそのまま食べられるようになるのは後期頃からです。
耳の部分はかたいので切り落とします。やわらかくすれば9ヶ月頃から食べられる場合もありますが、そのまま食べる場合は、奥歯でしっかりと噛めるようになる1歳~1歳半からが目安です。様子を見ながら食べさせてあげてください。
時期別の進め方と目安量
離乳初期
初期はパンがゆにして食べさせます。
耳を取り除いて細かくし、水分を加えとろとろに加熱します。初めはすり鉢などでなめらかにすりつぶし、ペースト状にしてから食べさせましょう。
耳のないサンドイッチ用の食パンも便利です。
まずは小さじ1から始め、小さじ2、小さじ3と増やしていきます。徐々に量を増やしていき最終的には8枚切り1/8~1/6枚 (5~10g)が目安です。
離乳中期
中期もパンがゆにして食べさせます。初期よりも水分を減らし、少し形を残したパンがゆにしましょう。
耳を取り除いて1cm角くらいに切り、水分を加えやわらかく加熱して食べさせます。初めは食べにくそうであれば粗くつぶしてあげましょう。
8枚切り1/4~1/2枚 (15~20g)が目安です。
離乳後期
耳を取り除いて、1cm大に切ります。水分にひたすか、そのままでも食べられます。1cm×5cm長さくらいのスティック状にして、手づかみ食べもOKです。慣れてきたら、軽くトーストしてもいいですよ。
8枚切り1/2~3/4枚 (25~35g)が目安です。
離乳完了期
1cm×6cm長さくらいのスティック状など、手づかみしやすい大きさに切り、軽くトーストします。
8枚切り3/4~1枚 (40~50g)が目安です。
パンがゆの作り方
基本のパンがゆ
【材料】
-初期-
食パン・・・8枚切り1/6枚
水(ミルク)・・・大さじ2(30ml)
-中期-
食パン・・・8枚切り1/2枚
水(ミルク)・・・大さじ3(45ml)
【作り方】
- 食パンの耳をとり、細かく刻む
食パンの耳は取り除いて、白い部分のみを使います。食パンを細かく刻んで、鍋に入れます。手でちぎってもいいですが、つぶれやすいので、細かくする場合は包丁で刻む方が簡単です。 - 水分を加えて煮る
水やミルクなどの水分を加え、弱火でパンが水分を吸ってやわらかくなるまで1分ほど煮てから、火を止めて粗熱を取ります。 - すり鉢ですりつぶす
初期はなめらかなペースト状になるまですりつぶします。中期以降はすりつぶさなくてもOKです。後期以降は食べやすい大きさに切ってあげましょう。
電子レンジで作るパンがゆ
電子レンジで作るパンがゆはサッと作れておすすめです。
【作り方】
- 耐熱容器に耳を取った食パンを細かくちぎって入れる。
- 分量の水またはミルクを加え、ふんわりとラップして電子レンジ(500W)で1分30秒加熱する。
- ラップをかけたまま蒸らし、粗熱がとれたらすり鉢でなめらかなペースト状になるまですりつぶす。
《初期》冷凍した食パンで作るパンがゆ
冷凍したまますりおろすと、すりつぶす手間が省けます。
【作り方】
- 冷凍した食パンを凍ったまますりおろし、耐熱容器に入れる。
- 分量の水またはミルクを加え、ふんわりとラップして電子レンジ(500W)で1分加熱する。
- ラップをかけたまま蒸らし、粗熱をとる。
食パンの選び方
パンはいろいろな原材料が使われていますが、そもそも食パンは最低限、小麦粉、塩、酵母、水があれば作ることができます。これに砂糖やバター、添加物などを追加してやわらかさを生み出したり、風味やコクを出したりしています。
赤ちゃんの消化機能は未熟なため、離乳食ではできるだけシンプルな材料でできた食パンを選ぶ必要があります。市販のパンの中には、赤ちゃんに与えない方がいい材料が使われている場合もあるので要注意です。
では、どのようなことに気を付けて選べばいいかポイントを6つ解説します。
①食品添加物が少ないもの
離乳食用のパンを選ぶ際は、できるだけ添加物が入っていないものを選ぶようにしましょう。特に気を付ける添加物はイーストフードと乳化剤です。この2つが不使用の食パンを選ぶと安心です。
②はちみつが使われていないもの
パンの中にははちみつが使われているものもあります。はちみつは乳児ボツリヌス症を起こす可能性があるので、1歳未満の赤ちゃんには絶対に食べさせてはいけません。はちみつが使われていないものを選びましょう。
③塩分や脂肪分が少ないもの
赤ちゃんの消化機能は未熟なため、塩分や脂肪分が多いと体に負担がかかってしまいます。また、離乳食は薄味が基本で、素材の味を感じることで味覚が育ちます。高級な食パンはいい材料が使われていて赤ちゃんにも良さそうと思いがちですが、生クリームやバター、砂糖など他の材料が多く使われていることもあるので注意しましょう。
④卵や乳製品に注意
パンには小麦の他にアレルゲンとなりやすい卵や乳製品が使われているものもあります。まだ食べさせたことがない場合は、卵や乳製品が使われていないものを選びましょう。卵や乳製品が食べられようになれば、パンの中に含まれていても大丈夫です。
⑤トランス脂肪酸が含まれていないもの
食パンを作るときによく使われるマーガリンやファットスプレッド、ショートニングにはトランス脂肪酸が含まれています。トランス脂肪酸は心臓病のリスクを高めることが報告されています。離乳食での食パンはマーガリンやファットスプレッド、ショートニングが使われていないものを選ぶと安心です。
⑥国産の小麦を使っているもの
輸入小麦は農薬が多く使用されている可能性があり、残留農薬が懸念されます。そのため、国産小麦を使用した食パンを選ぶと安心です。
食パンを選ぶポイント6つを紹介しましたが、すべてを満たす食パンがいつものスーパーにあるとは限りません。あまり神経質になりすぎると何も買えなくなってしまいます。
食品添加物やトランス脂肪酸などは使われていないものがいいに越したことはないですが、日本の基準は安全です。適度に気にする程度で選んでみてくださいね。ただ、1歳未満の場合、はちみつだけは厳禁です。
ちなみに、比較的手に入りやすくてコスパもよく、おすすめなのは「パスコの超熟」です。迷ったら超熟を選ぶといいですよ。
冷凍保存の方法は?
食パンはパンがゆでもそのままでも冷凍保存することができます。食べさせる時には必ず再加熱します。1週間を目安に使い切るようにしましょう。
離乳初期
パンがゆを作り、なめらかなペースト状にしたものを製氷皿に入れて冷凍します。凍ったら型から外し、冷凍保存袋に入れます。食べるときは電子レンジなどで解凍します。
または6~8等分に切って冷凍し、食べるときに凍ったまますりおろすと簡単にパンがゆが作れます。
離乳中期
パンがゆを作り、製氷皿に入れて冷凍します。凍ったら型から外し、冷凍保存袋に入れます。食べるときは電子レンジなどで解凍します。
または1cm角に切り、そのまま冷凍保存袋に入れて冷凍します。食べるときに水を加えて加熱し、パンがゆにして食べさせます。
離乳後期
耳を取り除き、1cm×5cm長さくらいのスティック状に切ります。ラップに包んでから冷凍保存袋に入れて冷凍します。食べるときはトースターなどで薄く焼き色が付くまで焼いて解凍します。
離乳完了期
耳を取り除き、1cm×6cm長さくらいのスティック状に切ります。ラップに包んでから冷凍保存袋に入れて冷凍します。食べるときはトースターなどで薄く焼き色が付くまで焼いて解凍します。
以上、離乳食での食パンの食べ進め方や選び方、冷凍保存方法などをご紹介しました。ぜひ参考にしてください。